初の沈設型人工魚礁が完成/関係者が安全祈願
稚魚の保育場で7基
鋼製人工魚礁(別名パヤオ)3基の沈設を翌日に控えた24日午後、池間漁港で安全祈願祭が行われた。長濱政治副市長、伊良部漁協の友利義文組合長、池間漁協の浜川洋美組合長、請負業者ら5人が神酒で魚礁を清め、カツオ一本釣り漁業の活き餌となる稚魚の集魚効果に期待を寄せた。宮古で沈設型人工魚礁が設置されるのは今回が初めてとなる。
市(下地敏彦市長)が国の漁村再生事業の一環で、同漁港で3基、久松漁港で4基の計7基を製作。25日に3基、27日に4基をそれぞれ設置する。沈設海域は、いずれも宮古本島北部から伊良部島間の水深20㍍の海域。
沈設型人工魚礁は、四角錐(しかくすい)の台状構造。底辺四方11㍍、高さ3・8㍍、上辺四方6・6㍍。内部は中2階の構造になり、四つの升の中には玉石が敷き詰められている。玉石には海藻が着生し、稚魚を集める機能を発揮する。升の下が日陰になることから、稚魚の群れの保育場となる。
今年度はさらに2基を発注し、2012年度は3基製作する予定。合計12基の総事業費は1億2000万円。内訳は、国が75%、県・市が12・5%ずつそれぞれ負担する。
祈願祭で、長濱政治副市長は「いよいよカツオの餌となる稚魚を養うパヤオが設置されることになった。餌がたくさん取れることは、カツオが大量に釣れることになる。パヤオが威力を発揮することを祈願する」と述べた。
友利組合長は「県内では現在、佐良浜でカツオ一本釣り漁船が3隻操業している。カツオ一本釣り用の活き餌を取る漁師の一人として、念願のパヤオが沈設されることは大変うれしい。元気な活き餌を確保し、カツオ一本釣り漁船に供給したい」と決意を新たにした。