市長との直接対話要求/学校統合説明会
来間住民 「廃校反対」のはちまき
来間小中学校を2014年度までに下地小・中学校に統合する方針などを示した市立小中学校の統合基本方針説明会(主催・市教育委員会)が8日夕、来間島離島振興総合センターで開かれた。来間住民らは子どもから大人までが「廃校反対」と書いたはちまきを巻いて意志を表明。議論は教育環境の改善には複式学級の解消が必要とする委員会の主張に対し、住民側は複式学級のメリットを強調するなど、平行線をたどった。参加者らは今回の統合の背景には、下地敏彦市長の方針があるとみて、市長との直接対話を求めた。
来間小中学校は小学生7人、中学生4人の小規模校。宮国博教育委員長は、来間小中と下地小・中を統合する理由の一つに、橋が架かり複式学級を認める特段の理由はなくなったことを挙げた。
来間小中を廃校にする方針について、島で漁業を営む男性は「来間小中には、100年余の長い伝統があり、学校と地域が一緒に行う運動会は、年に一度の祭り。これを取り上げることはまかりならん」と声を荒げ、怒り心頭の様子。学校統合を強行するならば、下地市長を今後支持しない考えも強調した。
大島康生来間小中PTA会長は「地域の意向を無視した基本方針には断固反対」と白紙撤回を求めた。
12年前に島に嫁いできた女性は「委員会の打ち出した方針に、住民の声が反映されていない」と指摘。
2人をはじめとする同内容の質問には、川上哲也市教育長が、住民の意見は学校適正規模検討委員会の答申に反映されたと、述べるに止まった。
農業を営む男性は宮国委員長に対し「混乱させているのはあなた。火に油を注いでいる。あなたが辞めれば丸く収まる」と辞任を要求。宮国委員長は「私が辞めることによって、適正化が進むのであれば簡単に済む問題。統合が進んでいない状況なので、任期中はしっかり取り組まなければならない」と、ひるまなかった。
沖教組宮古支部の役員は「教育長は下地市長の施政方針を受けて、検討委員会を立ち上げたと述べた。そうならば、市長は何で統合かを説明する責任がある」と市長の出席を要望。これに対し、事務局は市の総合計画が根本にあることなどを述べ、直接的な回答を避けた。
男性参加者の一人は、統合を急ぐ背景には財政の問題があると指摘。当局は説明会を一巡した後に、財政的な側面についても説明する考えを示した。