「がん条例」内容充実を
講演やシンポで経済支援訴え
制定が進められている県のがん対策推進条例について、離島の抱える課題などを考える「たうんミーティングin宮古島」(ゆうかぎの会など主催)が10日、宮古合同庁舎で開かれた。基調講演やシンポジウムでは、患者が心身のみならず経済的、社会的にも負担が大きいことが報告された。経済支援や負担軽減を講じることを明文化させ、病気を患っても安心して地域で暮らせるよう、条例の内容充実を図ることを誓った。
基調講演では、グループ・ネクサス(悪性リンパ腫の患者会)理事長の天野慎介さんが全国各地のがん条例を紹介。「お金の切れ目が命の切れ目になってはいけない。内容を充実するために声を上げよう」と呼び掛けた。
沖縄タイムス社記者の儀間多美子さんは、放射線治療を受けるために沖縄本島の病院に通院する離島患者の現状を報告し「不公平だと嘆いていた。経済的支援もなく困っている」と強調した。
主催者を代表してゆうかぎの会代表の真栄里隆代さんは「安心して治療できるように意見を交換し、離島支援を求めていこう」とあいさつした。
シンポジウムでは、天野さんや儀間さん、真栄里さん、宮古島徳洲会病院副院長の増成秀樹さん、宮古病院医師の砂川一哉さんがそれぞれの立場から意見を述べた。
がんに関する条例は15府県で制定されいる。沖縄県でも準備が進められており、患者や現場、地域の意見を集約している。
会場には患者やその家族、医療関係者らが多数訪れ、患者や医療現場からの意見に耳を傾けた。