無残、「まもる君」壊される/交通安全のシンボル
観光客、子どもショック/器物損壊事件で捜査
宮古島地区交通安全協会(宮里敏男会長)が宮古島市と多良間村に19体設置し、交通安全や飲酒運転の根絶を訴えている「宮古島まもる君」のうち、城辺長間と保良に設置された2基が何者かによって壊されていることが17日までに確認された。宮古島警察署の島袋令署長は「器物損壊事件として調べていく」としている。
最近は、携帯電話のCMや全国放送のテレビ番組でも取り上げられて宮古島を代表する人気キャラクターとなった「まもる君」への心ない仕打ちに観光客や子どもたちもショックを受けている。
宮古島署によると、17日に署に訪れた一般の人から通報があり、同署の署員が現場を訪れ同日午後6時40分ごろに2基の損壊を確認した。
長間に設置された「まもる君」は、頭部を棒のようなもので殴られたような痕跡があり、ヘルメットの一部、あごから左ほほにかけてとネクタイ付近が損壊している。保良の「まもる君」は、腰付近と足の損壊が激しい。
報告を受けた同協会の宮里会長は「このようなことになって残念。二度と起こらないよう何か対策を考えたい。壊された2基は早く修復したいと思う」と落胆した様子で話した。
また、今回の損壊は、全国ニュースにも取り上げられ、まもる君の知名度の高さが示された。
昨年も市役所上野庁舎近くに設置されたまもる君が落書きされるいたずらがあったが、地域の子どもたちによって修復されている。
「宮古島まもる君」は、宮古地区で交通死亡事故が多発したことを受け、1993年に5基設置された。
当初は、立て看板で注意喚起を呼び掛ける予定だったが立体型の「ロボット警察官」が毎日休み無しで交通安全を訴えるほうがドライバーの注意を引きつけるとの趣旨で設置された。
設置後、地域住民の好評を博してその後、各地に設置され現在は19基が宮古島市と多良間村に設置されている。
宮古に訪れた観光客によって注目され、人気者となった「まもる君」。設置場所は、観光客が一緒に記念撮影をする新たな観光スポットにもなっている。