遺跡調査の成果共有/市総合博物館
発掘調査展で関連講座
宮古島市総合博物館の特別展示「発掘調査展」関連講座が1日午後、同館で開かれた。学芸員の久貝弥嗣さんがツヅピスキアブと大嶽城跡の二つの遺跡を中心に発掘調査内容を報告。講座に参加した約30人の市民が調査の成果を共有した。
ツヅピスキアブは平良下里の大原南公園内にある遺跡で、調査は2009年5月18日から6月12日にかけて行われた。時代は1万~8500年前とみられる。
複数ある堆積層の中から化石化したイノシシの歯や骨とともにチャートれきや砂岩れきが出土したことを報告。久貝さんは「明らかな人為的な遺物は確認されていないため人がいたかどうかははっきりしない」などと述べ、継続調査の必要性を指摘した。
上野野原地区の大嶽城跡については、約14~15世紀の遺物と位置付けられる野城式土器の存在などを報告した。野城式土器は鍋の形をしたもので、宮古、八重山諸島の特徴的な土器だという。動物の骨も一定量出土。久貝さんは「大型の家畜の骨。動物骨の中には焼かれているものや解体した痕もあった」と話した。
講座に参加した市民は久貝さんの報告に耳を傾けながら、遺跡調査の成果に関心を示していた。