サシバを守ろう/伊良部中で保護集会
休息地の環境保護に決意/仲地邦博さんが講話
本土から渡り鳥のサシバ(タカ科)が中継地の伊良部島などに飛来する季節を迎え、伊良部中学校生徒会(長濱一希会長)は3日、サシバ保護集会・車両パレードを実施した。生徒71人は、国際保護鳥のサシバの保護や休息の環境保護に取り組んでいく活動に決意を新たにした。
サシバは、沖縄が本土復帰した1972年に鳥獣保護法が適用され、狩猟鳥から保護鳥になった。県は77年、サシバが渡る10月をサシバ保護月間と定めた。環境省は2006年のレッドデータ見直しで、サシバを絶滅危惧種に指定した。
この日は、サシバ保護のポスター・標語表彰式があり、ポスターの最優秀賞に下地寿香さん(3年)、標語の最優秀賞に津嘉山大吾君(2年)の作品「守ろうよ サシバは秋の 風物詩」が選ばれ表彰された。
講師に宮古野鳥の会会長の仲地邦博さん招かれ「サシバの生態と保護」と題して講話した。
仲地さんは「宮古でサシバの最多飛来地は伊良部島。サシバが休む緑が多いから飛来数も多い。しかし、伊良部地区の森林状況を調べると、1955年時点の森林面積は1104㌶、森林率30%であったが、1999年時点の森林面積は601㌶、森林率15%。44年間で森林面積は半減した」と指摘した。
その上で「生徒の皆さんが今すぐ実行できることは、リュウキュウマツやモクマオウを植えること。何故、サシバを保護するのか。一つの考えは、サシバが生きやすい環境は、人間も生きやすい環境につながるからである」と強調した。
講話後、生徒会の役員らは、広報車などに分乗。島内を一周しながら地域住民にサシバ保護をアピールした。