昔の島の素顔よみがえる/池間島写真館プレオープン
NPO法人いけま福祉支援センター(前泊博美理事長)が企画する「池間島写真館」が6日、ミャークヅツと合わせ、プレオープンした。昭和30年代に池間島に暮らした民俗学者の野口武徳さんが遺した1000点以上の写真資料の中から、修復写真を含め300点を池間島離島振興総合センターと池間公民館で展示。ミヤークヅツ後は、離島振興センターの一角に常設する。
写真館では、地域のお年寄りに写真を見ながら、島の昭和史を語ってもらう予定。前泊理事長は、語らいの場の提供は「お年寄りの生きがいづくりにつながる」と強調。お年寄りの知恵を、地域活性化の起爆剤にしたいと意欲を見せる。入館者には、昔から地域で食されてきたおやつやお茶などを有料で提供する。
野口氏は島の祭祀やカツオ一本釣り、人々の日常生活の様子などを鋭く切り抜き、カメラに収めた。
ミャークヅツに合わせて離島振興センターで展示されている写真は約200点、公民館が約100点。写真の修復費はNPOが捻出してきたが、今年は市も支援した。
離島振興センターでは、石原トミさん(97)が、みそ作りをする50年以上前の写真が目を引く。娘の儀間利津子さん(59)が、近所の子どもたちと遊ぶ幼い姿も1枚の写真に写っている。
儀間さんは「みその材料になる麦や大豆は、自家製だった」と話した。
公民館では、島の祭祀をする厳かな女性たちを映した写真が多い。池間島出身の嵩原ヒロ子さんは「島の伝統を感じる。昔は島の祭祀に携わる女性が多かったことが、写真で分かる。今は5、6人しかいない」と話した。