新ごみ処理施設建設予定地 現施設後方に変更
周辺住民対象に説明会開く
宮古島市は、新ごみ処理施設の建設予定地を既存施設の西隣りから、し尿処理施設のある後方に変更し18日夕、添道公民館で周辺住民を対象に説明会を開いた。変更の理由に①環境基準値を超えるダイオキシンが当初予定地から検出された②し尿処理施設の荷川取への移転予定③出入り口を隣接住民が希望する北側に設けることが可能-などを挙げている。長濱政治副市長は、参加者が9人と少なかったため、11月中にも説明会を再度開く考えを示した。
基準値を上回るダイオキシンは、市が今年2月に行った独自の土壌調査で判明した。同所では昔、ごみの野焼きが行われていたという。濃度は乾燥土壌1㌘当たり1万4000ピコ㌘(1ピコ㌘は1兆分の1㌘)と、基準値の14倍。ダイオキシンに汚染された環境で工事に着手する場合、手続きや作業が困難になるため、計画の変更を検討した。
質疑応答で、し尿処理施設跡地ついてダイオキシン調査を「するか、しないか」を確認した問いに、長濱副市長は実施すると明言した。建設に当たっては周辺住民も参加する建設委員会を設置し、環境調査を含め住民が納得する形で事業を進めていく考えを強調した。
参加者の一人は、大気や水質の調査を定期的に実施してほしいと要望。長濱副市長は、施設の運営については公害防止対策協議会を設け、施設の監視や意見交換を行うとした。
もう一人の参加者は、出入り口を北側にした場合、「市街地からのごみ搬入車は、坂を下りたり、上ったりしなければならない。なぜ、便利な南側しないのか」と質問。当局は「南側は住宅地に近く、通学路になっている」と述べ、理解を求めた。
新ごみ処理施設建設は、現施設が稼働後34年と老朽化し、運転が不能になった場合、ごみ処理に混乱を来すことから急がれる課題になっている。
事業スケジュールは、12年度に実質的な環境アセスメントを完了。13年度の着工を目指す。
可燃ごみはすべて建物内に集め、臭気は外部に出さないようエアカーテンなどで閉じこめる。焼却炉はストーカ方式で、1日の処理能力は63㌧。リサイクルプラザが12㌧。リサイクルプラザでは、有価物を回収するとともにリユース(再利用)運動を展開し、家具や自転車などの修理・販売を実施する。研修室や展示室も設置する。