「相手に思いやりの心を」/人権啓発講演会
いっこく堂さん、腹話術で訴え
北谷町出身で腹話術師のいっこく堂さんが講師を務める人権啓発講演会(主催・宮古島市、宮古地区人権啓発活動地域ネットワーク協議会)が23日、マティダ市民劇場で行われた。会場にはたくさんの市民が詰め掛け、「思いやりの心」と「優しい気持ち」を持つこと大切さを訴えるいっこく堂さんの講話内容に聞き入ったほか、世界中から高い評価を受けている腹話術を楽しんだ。
今回の講演会は、2011年度地域人権啓発活動活性化事業として開催され人権尊重の理念に関する正しい理解と普及・高揚が目的。
いっこく堂さんは講話で、中学校時代に野球部で部員から無視され、心を閉ざしてしまったが、苦しい中でも弟と過ごした時間が救いになった体験談を紹介。
「自分もつらい時にそのことを親に相談することができなかった。今、同じ状況の子どもたちもそうだと思う。ぜひ、お父さん、お母さんは子どもたちの小さな信号を見逃さないでほしい」と訴えた。
そのほか、いじめや差別、障害者との接し方などは「家庭の中で親子の会話を通して学び感じることが大切」と強調し、親子の会話を増やすことを呼び掛けた。
腹話術では、いろいろな人形が登場。ほとんど口を動かすことなく声を使い分けるいっこく堂さんの腹話術に会場は大きな笑い声が響いた。
いっこく堂さんは腹話術師として国内だけでなく全米、アジア、ヨーロッパでもツアーを行うなど世界的にも有名。
2年前に法務省から人権啓発DVDへの出演協力をきっかけに腹話術を使って全国各地で人権トークを開催するなど、社会活動にも積極的に取り組んでいる。