防災農業の推進訴え/「防風林の日」で仲間教授らが講演
「防風林の日」の関連行事で防災農業確立推進講演会(主催・県防災農業推進会議)が28日、県宮古事務所で行われた。琉球大学農学部教授の仲間勇栄さんと県農林水産部営農支援課の上原数見副参事らが講演し、防風・防潮林整備の重要性と全県的な防災農業の確立推進を呼び掛けた。
仲間さんは「福木(フクギ)の防風林を見直そう~歴史の中から考える~」をテーマに講話。
長寿で防災機能に優れているフクギの魅力を紹介した仲間さんは「モクマオウやソウシジュは40~50年ほどでほぼ劣化する。インスタント防風林の時代とは決別し、数百年でも生き続け、その機能を十分に発揮する本物の防風林造りに取り組む必要がある」と呼び掛けた。
上原副参事と大城忍主任技師は「県における台風とその対策~現地事例から学ぶその効果的な防ぎ方~」の演題で講話し、さとうきびの台風対策について説明した。
講話では、最近は時期的に早い台風襲来などもあり、従来よりも台風対策が困難な状況になっていることを報告。
対策としては、台風に強い品種を紹介したほか、適切な植え付け時期を守ることや春植については早期の植え付けを呼び掛け、台風が襲来するまでにある程度成長しておけば折損被害が軽減されることを説明した。
県は毎年11月の第4木曜日を「防風林の日」に設定。沖縄が台風の常襲地帯であることを踏まえ、県内の防風・防潮林の整備を加速させるため、毎年県内持ち回りで関連行事を開催している。