県全体の9割占める/不法投棄ごみ
宮古6年連続ワースト1位
2010年に宮古地区で不法投棄が確認されたごみの量は8308㌧で、県全体の約9割を占めたことが県環境整備課の実態調査で分かった。宮古は同調査が開始された05年以来、6年連続県内ワースト1位。宮古福祉保健所は、住民のごみ処理に対するモラルの低さが背景にあるとみている。
宮古の不法投棄ごみの内訳は、一般廃棄物が5215㌧(構成比62・7%)、産業廃棄物が3093㌧(同37・2%)。一般廃棄物は処分に金の要る「廃家電類」や「粗大ごみ」が多いという。産業廃棄物は「がれき類」や「廃タイヤ」、「木くず(建設系)」の3種類で半分以上を占めた。
宮古島市は09年に国の補助金を使って、約9200㌧を処理した。しかし、10年にはその3割の2700㌧(9件)が新しく確認されるなど、「いたちごっこ」の状況にある。
保健所は「昔、県内ではどこの集落にもごみ捨て場があった。宮古はその習慣から、抜け出していないようだ」と分析。「有料ごみ袋に入れて、不法投棄している事例も多く見られる」と嘆く。ある集落では、住民総出でごみを撤去しきれいにした所に再び、山積みになっている事例も見られるという。
10年の県全体の不法投棄ごみの量は9491㌧だった。地区別には宮古が最も多く8308㌧。北部の617㌧、中部の220㌧などが続いた。
不法投棄の場所は原野、森林、河川敷などで8割以上を占めた。
県は廃棄物の不適正処理は、生活環境に支障を及ぼすだけでなく、自然や都市景観を損ね、観光にも影響を与えかねないとして、取り締まりを強化している。不法投棄の罰則は個人の場合、罰金1000万円以下、懲役5年以下。両方の刑罰を科せられることもある。法人は罰金3億円以下。