宮古の伝承文化を語る/文化研究センター講演・シンポジウム
宮古伝承文化研究センター(佐渡山安公所長)主催の第6回講演・シンポジウムが狩俣集落センターで開かれた。「宮古の神歌の世界」では、西原や佐良浜などの女性たちが、地域の古い神歌を方言で披露。参加者らは、方言の奥深い世界に感動した様子だった。
センター副所長の狩俣恵一沖縄国際大学教授は、1609年以後の宮古の人頭税に触れ「役人は人頭税制では、人口調査や田畑の面積調査、度量衡、長さ・容積・重さなどを測るさおや升など)を把握しなければならなかった。そのような人頭税の中で、地域の神歌・祭祀はどのように関わっていたのか」と未解明の断片を提起した。
その上で「よそでは見られない宮古独自の神歌・祭祀を継承することは、宮古の文化を継承することになる。歌を通して楽しく語り合いましょう」と述べた。
平良西原が「かんむなーぎ」、伊良部佐良浜が「なかやつぬ かにくよ」、城辺宮国が「ユークイのウタ」、平良狩俣が「むとぅぬんつ」などを披露。それぞれ歌った女性たちが、神歌のストーリーを紹介すると、参加者らは、改めて理解した表情を見せていた。
この後、明治大学の居駒永幸教授が「狩俣の神歌と神話」と題して講演した。
引き続き「狩俣の神歌と神話」のテーマでパネル討論が行われた。パネラーからは、今後の神歌・祭祀継承などについて活発な意見・提言があった。
同センターは、宮古のすべての伝承世界の調査、記録、継承を模索し研究するのが目的。