大橋開通後の活性化探る/アイ ラブ 伊良部!
元気な島づくり目指し
伊良部島の将来像を島民みんなで考え、活力ある地域づくりをめざして、「アイ ラブ 伊良部!」~元気な島づくりフォーラム~(主催・市、伊良部地区地域づくり協議会)が20日、伊良部東地区構造改善センターで開かれた。フォーラムでは、「楽園の花嫁」の著者で来間島で農園・カフェ「楽園の果実」を営む砂川智子さんが「夢の大橋開通と島の活性化」と題して基調講演を行ったほか、新里聡さん(アップリフトリーダーシップセンター代表)をコーディネーターに5人のパネリストが「豊かで住みよい島づくりを考える」をテーマにしたシンポジウムを開催した。また、3人の中高生が島づくりの意見発表を行った。
基調講演で砂川さんは、大橋が開通する以前から来間島に移住し、離島であったころの島社会と、橋が架かった後の変化を具体的に説明した。島の経済的課題が解決し農業従事者が増えたことで島が活性化した一方、人、車の往来が一挙に増えて合理化が進み、地域本来の素朴さが失われていった様子を講話した。
砂川さんは、橋が架かる過程を「具体的な変化が時間軸で分かる当時は、不安や恐怖の方が大きかった」と回想した。また、大橋開通以降は「島のどこに行っても必ず人がいる。捨て犬が増えるなど、島の環境は大きく変化した」と橋のもたらす功罪について説明した。
同島では県外、外国(フィリピン)からの移住者がほとんどを占めることから、質疑応答では、地元でのコミュニケーションのあり方について質問があり、砂川さんは婚姻を含めた農業後継者の理想的な形態などをアドバイスした。
シンポジウムは、陣内義浩さん(観光事業者)、渡久山研悟さん(商工会青年部)、長濱国博さん(農業従事者)、近角敏道さん(Iターン者)、西原豪さん(佐良浜中PTA)がパネラーとして、それぞれの立場から伊良部大橋開通後の地域活性化について意見提示した。
「住民同士がアイデアを持ち寄り、どういう企画が必要かをもっと話し合う場を持つ必要がある」「島に適した作物を地場産業として確立し伊良部から発信するプログラムが必要だ」などの意見が出された。
集まった住民は、パネラーの提言に熱心に耳を傾け、大橋開通後の島の将来構想について真剣な表情で聞き入っていた。