入学生確保が急務/伊良部高校を存続させる会
住民の対応など協議
県教育委員会が2020年度の卒業生をもって伊良部高校を廃校にする計画を示していることについて、伊良部高校を存続させる会(佐久本洋介会長)は13日、伊良部公民館で会合を開いた。伊良部高校の砂川明校長をはじめ、佐久本会長、嘉手納学副会長ら約20人が参加し、廃校回避に向けて意見交換をした。
会合は、17日午後2時から伊良部高校体育館で予定されている県教育委員会の住民説明会に向けて、どのような動員態勢をつくり、何を訴えるかなどについて話し合った。
説明会への対応については「高校を残してほしい。廃校を早めるのは避けてほしいなどの島の気持ちを素直に話した方がよい」との意見が出た。
県立高校は1学年2学級が存続の原則で、1学級の生徒数は40人。現在は2学級を維持しているものの、伊良部高校は島の人口減や少子化で入学者数の減少から2学級の維持が困難な状況が見込まれている。
伊良部高校は03年から中高一貫校として、佐良浜、伊良部両中学校の生徒が進学することで、毎年40人を超える入学者数の確保を図ってきた。しかし両中学校の生徒数の減少に加え、伊良部高校以外の高校に進学を希望する生徒が予想されることから、2学級を維持するための入学者数確保が急務となっている。
佐久本会長は、学級数の維持が困難な場合は、県が示している2021年度廃校以前の実施もあり得るとして、当面の入学者数確保に向けての取り組み方法を参加者に諮った。
フロアからは「島の人口減少の歯止めや雇用確保による人口増を考えなければ根本的な解決にはならない」という意見が多く出た。
佐久本会長は「問題を当面の入学者数の確保と、17日の説明会に絞り検討したい」と述べ、意見の集約を図った。
参加者からは「普通科の高校としての存続は難しいので、実業高校のような形態は取れないのか」「他の高校は資格取得など自校の特色をマスコミなどでPRしている。伊良部高もしっかり特徴や高い進路決定率をPRすべき」など多くの意見が出た。
また、「伊良部出身者で宮古本島在住者が多いことから、伊良部高校の設立当時の運動など、きちんとした資料を整え、架橋後は伊良部に戻って生活してもらえるような努力が必要ではないか」と具体的な指摘があり、今後資料整備をすることを確認した。