伝統工芸セ建て替えへ/市 振興交付金を活用し
2012年度に交付されるソフト事業部門予算の沖縄振興特別推進交付金(仮称)市町村配分を活用し、宮古島市は宮古伝統工芸品研究センター(受託管理者・宮古織物事業協同組合)の移転新築を検討していることが6日、分かった。
内閣府沖縄担当部局予算案約2937億円のうち、ソフト事業に充当し一括交付金化する同予算は、4日に県と市町村長で開いた沖縄振興会議において、県分と市町村配分案が県側から示され、大筋の合意を得た。宮古島市への配分は約11億円が見込まれている。
市は、かねてから老朽化し手狭となった同研究センターの移転新築を同織物事業協同組合などから要請を受けていた。
市関係者によると、現在の敷地が狭あいなため、移転を含めて施設の建設を検討していた。また、新たな施設には展示資料館を設けるとともに、宮古上布の製造工程全体をガラス越しに見学できるコースを設置し、観光施設としての要素を加味することも検討しているという。初年度は基本計画策定と実施設計に着手したい考えだ。
同組合の上原則子専務理事は「国の重要無形文化財である宮古上布の生産拡大を目指すためにも施設の充実は必要。ぜひ実現してほしい」と話した。
同理事長を務める長濱政治副市長は「市の伝統文化を継承し、併せて産業振興を図るという点で、同交付金を活用しての移転新築事業は有意義だと思う」と話した。
同交付金の市町村活用について、上原良幸副知事は本紙取材に対し「10分の2は市町村が負担しなければならず、必ずしも使い勝手の良い制度にはなっていない」と指摘した上で、「県は活用手法などのアドバイスを行っていくが、地域の主体性を尊重する立場から、地域特性を発揮できる事業内容を自ら立案してほしい」と述べ、市町村の独創性を促していた。