獅子舞で厄払い/比嘉の旧二十日正月祭
豊年と無病息災願う
城辺の比嘉自治会(本村弘幸会長)で受け継がれているの伝統行事で、1年間の豊年と無病息災を祈願する旧二十日正月祭(パツカショウガツ)が旧暦1月20日に当たる11日に行われた。2頭の獅子が集落を回って安全を祈願するとともに、今年度に改築した家などを訪れ厄払いを行った。
1913年に始まったとされる同祭。士族と平民による字有地財産を巡る長い訴訟が旧暦の1月20日に解決したことから、その日を記念日として獅子舞や競馬、角力など祭りが行われるようになったとされる。戦争で一時、中断したが1955年に再開。以降、途切れることなく毎年開かれている。
午後2時すぎから始まった祭りには、地域住民や沖縄本島在住の郷友ら多数が参加。開始に際し本村会長は「今年は集落の150周年であり、比嘉民俗芸能保存会結成15周年という記念の年。今回の二十日正月を大いに盛り上げて、1年間の豊年と無病息災を祈念すれば地域は発展すると思う」とあいさつした。
2頭の獅子は比嘉公民館入り口で舞を奉納した後、頭にクロツグ(方言名マーニ)の草の冠を載せた地域住民らを引き連れて、厄払いのため公民館の建物を3周回ったほか、公民館向かいの広場では獅子舞のほか、参加者が円陣を作り比嘉クイチャーを踊った。
その後、獅子舞は集落内を回ったほか、今年度に改築された平良昌子さん宅を訪れ、家を3周回って厄をはらった。昌子さんの夫・誠議さんは礼を述べるとともに「リフォームした家の厄払いができ、うれしい」と語った。本村会長は「今年は在沖の郷友が二十数人参加してくれたので例年以上に盛り上がった。来年は二十日正月100周年となるので盛大に行いたい」と語った。