天然ガス試掘/県、宮古での実施明言
県議会2月定例会
【那覇支社】県議会(高嶺善伸議長)の2月定例会は23日、代表質問2日目に入り、野党2会派4氏が質問に立った。宮古島市区選出の奥平一夫氏(社大・結)は県施策の「低炭素島しょ社会」の実現性など、離島でのエネルギー政策について、仲井真弘多知事と県執行部の考えをただした。奥平氏が天然ガス資源開発の調査結果について質問したのに対し、平良敏昭商工労働部長は「宮古島においても天然ガスの賦存が期待されている」と述べ「試掘地域は本島中南部と宮古地域を予定している」と答弁した。
県が2011年度に沖縄本島と宮古島で実施した天然ガス資源緊急開発調査結果では、本島中南部と宮古島に、広範囲にわたって水溶性天然ガスの鉱床が広がっていることが確認されている。県は、同資源の有効活用について「天然ガス資源有効活用検討委員会」(委員長・千住智信琉球大学工学部教授)での検討を踏まえ、試掘地を決定することを明らかにしていた。
県が今定例会に提出した年度一般会計当初予算案では、同ガス資源の試掘費用を含む「未利用資源・エネルギー活用促進事業」(新規)に14億9743万円を計上した。
奥平氏は再々質問で県のエネルギー政策の具体性が乏しいことを指摘した上で、「世界に誇れる低炭素社会の実現には、新たな部の創設も必要なのでは」とし、仲井真知事の答弁を求めた。
これに仲井真知事は低炭素社会について、鳩山内閣で提起され、2~3年で国の政策があいまいになって以後、「指摘どおり、県も意欲的なレベルとは言い難い」と述べたが、脱炭素、再生エネルギー利活用の県政策については推し進めていく考えであることを強調した。
また、奥平氏が下地島空港の利活用で、宮古島市が策定した計画との整合性を図る上で、「災害支援拠点空港や国際化に向けて県が積極的に取り組むべきではないのか」と質問したのに対し、仲井真知事は「災害拠点空港の整備は下地島だけでなく、県内のいろいろな地域での整備が求められている」と述べ、下地島空港については「有力候補の一つになるということで勉強を進めているところだ」と答弁した。