「愛情弁当」で頑張れ/高校入試
母親の手作り料理で応援
「いっぱい食べて頑張るんだよ」-。高校入学試験が始まった7日、宮古地区4高校では受験生と家族が和やかに昼食を囲む光景が見られた。「15の試練」に挑む受験生にとって、慣れ親しんだ母親の手作り料理は格別。「うれしいし元気が出る」「これで午後からも頑張れる」と話し、この時間だけは表情を緩めて家族との団らんを楽しんだ。
入試期間中に、受験生と家族が昼食を囲むという習慣がいつ始まったのか定かではない。ただ、何十年も続いている習慣で、今回昼食を準備した親たちも「私たちの受験のときも家族みんなで料理を持ってきてくれた」と懐かしむ。
宮古高校は、正午を前に多くの父母らでごった返した。午前の試験を終えた受験生が出てくると「お疲れさま。お昼はこっち」と声を掛けて芝生がある中庭や体育館に招いた。
中庭を昼食場所に選んだ家族や親せきはブルーシートを敷いて準備は万端。母親が作ったごちそうを所狭しと並べて受験生と昼食を囲んだ。受験生はリラックスした表情で母親の料理をおいしそうに食べ、和やかな雰囲気を楽しんでいた。
北中の砂川優哉君は、ちらしずしをはじめ肉料理や揚げ物、サラダ、デザートをたっぷり食べた。たくさんのごちそうを前に「多いのでびっくりしたけど、とてもおいしい。これで午後からも頑張れます」と家族の支えに感謝した。
母の園美さんは「私が受験したときも、こうやって昼食を囲んだのでとても懐かしく思う」と笑顔。優哉君には「たくさん食べて午後も頑張ってほしい」とエールを送った。
同じく北中の砂辺一行君は大好物のカツ丼を食べて元気を付けた。「やっぱりおいしい。お母さんに感謝しています」と満面の笑顔を見せた。
母の綾子さんは一行君の好物に母親の愛情を注いだという。「私の頑張れという気持ちをカツ丼に込めました」と表現した。昼食を囲む習慣については「私が受験したときもあったので懐かしい。何十年たっても変わらないですね」と笑顔で振り返り、今も変わらない習慣を喜んだ。