健康増進への工夫紹介/在宅酸素療法で講演会
講演会「在宅酸素療法患者の健康管理~呼吸を楽にして健康増進~」(主催・在宅酸素療法患者在宅支援研究会)が17日、県宮古事務所で開かれた。順天堂大学大学院医療看護学研究科の植木純教授が、呼吸不全を引き起こす病気の影響で体内に十分な酸素を取り取り込めないことから、自宅で酸素装置を使って酸素吸入を行う在宅酸素療法患者の健康を増進させる工夫などを紹介した。
慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)や肺結核後遺症、肺線維症、間質性肺炎、肺がんなど慢性的な呼吸不全を引き起こす病気の患者が行う在宅酸素療法。講演会には患者やその家族、関係者ら約30人が参加した。
植木教授は同療法患者が効率的に酸素を取り込むためには運動が有効と説明。歩行トレーニングで多く歩いた人ほど長生きしていることを示すデータを紹介し、「呼吸を整えながらの運動を行うことで活動性を高めることができる」との考えを示した。
呼吸は鼻から吸った後、口をすぼめてゆっくり吐いた方が健康増進につながると語る植木教授。歩くときには呼吸と足のリズムを合わせ2歩の間に鼻から息を吸い、4歩掛けてすぼめた口から吐く方法を奨励した。
同講演会は文部科学省の科学研究費助成事業として助成金を受け開催された。