損賠請求手続きなど説明/原発事故損賠勉強会・相談会
ネットで3会場中継
2011年3月11日に発生した東日本大震災で宮古島に避難をしている被災者を対象にした無料の東日本大震災・福島原発事故賠償勉強会&相談会(主催・沖縄弁護士会災害対策本部、市地震支援対策室)が17日、市役所平良庁舎で行われた。東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所事故の被害に遭った被災者に、損害賠償請求手続きや賠償の対象になる損害、被害などについて沖縄弁護士会災害対策本部の弁護士が那覇の会場で説明。インターネットを結び宮古島、石垣島の会場に中継した。
那覇の勉強会に離島から参加するのは負担が大きいと弁護士会が初の試みとして実施した。
宮古島市では3月16日現在、15世帯35人が避難生活を送っている。発災からこれまでの延べ人数は65人。
勉強会では東京電力福島第1原発事故の賠償範囲を検討する原子力損害賠償紛争委員会(会長・能見嘉久学習院大学教授)が政府の避難区域再編に伴い16日、年間積算放射線量が50㍉シーベルト超の「帰還困難区域」に指定される地域住民の精神的損害などに対し、東電が一括賠償金として、1人600万円を目安に支払うことなどを盛り込んだ精神的損害の賠償額を公表した。
2011年8月5日に同審査会が公表した東京電力福島第1、第2原子力発電所事故による原子力損害の判定等に関する中間指針(中間指針)の第2次追補として発表した。
これらの賠償額の指針について勉強会でひまわり基金法律事務所の寺田明弘弁護士は、請求する損害賠償の金額はそれぞれの被害者が積算し請求する。この指針に示された賠償額が上限ではないこと。中間指針に盛り込まれていなかった自主的避難者等の損害についても2011年12月6日の第1次追補で認める方針を明示したことを説明した。
中間指針第2次追補では年間積算放射線量が50㍉シーベルト超の「帰還困難区域」に指定される地域住民の精神的損害などに対し、東電が一括賠償金として、1人600万円、「帰還困難区域」よりも放射線量が低い「居住制限地域」については2年分240万円。年間20㍉シーベルト以下の「避難指示解除準備区域」は現行の月額10万円をそれぞれ目安とするとした。
宮古島市に避難してきた被災者には市が市営団地、公用車を無償貸与した。また被災避難者1世帯あたり6万円を上限に、総額約80万円を生活支援金として支給した。現在市内で避難生活を送っている15世帯のうち、14世帯は県が借り上げた民間アパートに移り、1世帯は市営団地で生活を送っている。
市は2011年3月17日から9月30日まで東日本大震災義援金を募り、総額3200万7331円を日本赤十字社県支部を通して被災者に送った。