農業基本計画書を策定/下地市長「夢のある島に」
下地島
下地敏彦市長は29日午後、市役所平良庁舎で、このほど策定した下地島農業基本計画書の概要を発表した。県から買い取る下地島空港周辺の約85㌶を農業振興地域へ編入した上で農用地に指定。希望する農家に貸し付けや売却を行い、高収益を生み出す農業生産を推進する。下地島空港を活用した物流の促進も視野に入れている。下地市長は「夢のある下地島にしたい」と話し、同島での農業振興に意欲を示した。
同計画は、2008年に策定された下地島空港等利活用計画書と連動。この中で「農業的利用ゾーン」に位置付けられた空港滑走路南側の農地を実践的に活用するために策定した。
計画策定に当たっては▽土地利用規制▽基盤整備▽農業生産▽農業の担い手▽下地島空港の活用-などを課題に挙げて協議。計4回の検討委員会を経て「下地島かぎすま(美ぎ島)ファームプロジェクト」を計画の中に盛り込んだ。
プロジェクトは①持続性の高い農業生産方式の導入②下地島の碧い海と地下水を守る土づくりの推進③自然エネルギー等の活用④6次産業化の推進-を柱に展開する。持続性を追求する中で「適地適作」として雲南百薬やスイゼンジナ、タカナ、オクラ、ヘチマ、宮古イモ、島ラッキョウ、島トウガラシなどの品目を農家に提案し、高い収益性とブランド確立を目指す。
基盤整備は、区画を整備して農道を配置、貯水池を造って空港などから雨水を引き込む。かんがい施設の整備も計画している。
計画を実行する約㌶の農地では、現在43戸の農家がサトウキビやカボチャを栽培しており、市が農地を買い取った後は借りるか購入しなければならない。価格は4月に行う不動産鑑定の結果を受けて決定する。
この間に行ったアンケートによると、「新しい農業に挑戦してみたいと思いますか」とする質問に、回答者の6割の農家が「挑戦してみたい」と答えている。