道端の木に奇妙なカゴ?
県がミバエ再侵入防止で設置
「道路沿いの木にぶら下がっている2個のカゴには、何が入っているのかね」「なぜ2個なのか分からないし、奇妙なカゴだね」。市民から、カゴの存在を不思議がる声が出ている。
近づいて見るとカゴには「ウリミバエ不妊虫放飼用カゴ」と書いた張り紙。県宮古農林水産振興センターなどが、同害虫の再侵入防止を目的に設置した。
同センターのスタッフに「カゴに何が入っているか」「なぜ2個なのか」と聞いた。すると「カゴにはウリミバエ不妊虫の蛹を入れる。冬春期は1個だけ使うが、1週間に900万匹の大量放飼を必要とする夏場に2個使う」と説明があった。
宮古地区では大神や伊良部、多良間を除く地域の190カ所に設置してあるという。センターは「カゴを持っていったり、壊したりしないで」と呼び掛けている。
ウリミバエはゴーヤー(方言名・ゴーラ)等のウリ類やマンゴーなどに寄生する害虫。同ハエは、農作物に直接被害を与えるだけでなく、1匹でも発生が確認された場合は、ゴーヤーなど寄主植物の未発生地域への移動が法律で禁止または制限されるため、発生すると甚大な被害を受ける。
宮古では、1987年に野生ウリミバエの根絶が確認された。再侵入防止のため、これまでは不妊虫の成虫放飼を行ってきたが、今回「蛹(さなぎ)のカゴ放飼」に変更した。