風疹患者数が拡大/市福祉保健部注意喚起
沖縄本島で12例発生
6月以降、県内で風疹患者発生数が拡大傾向にあることから市福祉保健部健康増進課では注意を呼び掛けている。沖縄本島では先月19日現在で発生件数5例が確認され、同29日現在では12例に拡大した。
県内では2008年の1例以来、4年ぶりに3月に1例発生。さらに、6月は11人の感染が確認され風疹が流行の兆しを見せている。
風疹は、風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症で流行は春先から初夏にかけて多く見られる。
今年は近畿地方での患者の報告が最近の5年間で最も多く、全国の届出数も昨年同期の2倍となっている。
今年は12例中11例が中部保健所管内で、1件は南部保健所管内となっている。
また、年齢は20代と30代が多く、男女別では男性が8人、女性が4人となっている。
風疹は、特に妊娠初期の女性がかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し難聴や心疾患、白内障などの障害をもった赤ちゃんを出産する可能性が高くなる。
過去に沖縄では、風疹が流行し1965年には408人の先天性風疹児が生まれている。
風疹ウイルスは、飛沫(唾液のしぶき)などで、感染する。発疹、発熱、リンパ節(頸部、後頭部耳介後部)の腫れが主症状。大部分の人は、一度かかるとかからない。
対策には①予防接種を受ける②妊娠前半期(5カ月ぐらいまで)の人は人混みを避ける③医療機関や保育園、学校などの職員も、予防接種歴の確認や抗体価をチェックするなど感染対策を取る④外出後の手洗いやうがい、せきエチケットに気を付ける⑤マスクを着ける⑥症状が表れたら早めに受診する-などを示している。
市健康増進課では、MR1~4期(1歳児と幼稚園年長児、中学1年生、高校3年生相当の人)は無料(全額公費負担)でワクチン接種ができることから、積極的な接種を呼び掛けている。
そのほか今年は、発生年齢が20~30代の子育て年代となっていることから、同課では「風疹の予防接種を受けていない場合や接種したかどうかがはっきりしない場合でも医療機関で抗体価を測定するか予防接種を受けてほしい。特に身近に妊娠している方がいる場合は積極的に予防接種をしてほしい」と話した。