新食肉センター建設に反対/予定地野原の住民
畜産農家は賛成/事業説明会
新宮古食肉センターの建設事業説明会(主催・同社)が6日、JAおきなわ宮古地区本部であった。同社取締役会で昨年8月に決定していた建設予定地(上野野原の旧家畜セリ市場)について近隣住民は迷惑施設として反対、センターを利用している畜産農家は賛成の立場を示した。池間等志社長は用地決定のタイムリミットが、補助事業の関係から今年の暮れとなるため、「今回の意見を踏まえて取締役会で話し合い、再度協力を仰ぐしかない」との考えを示した。
説明会には予定地の近隣集落(野原、山中、野原越)の住民や肉用牛、養豚、ヤギ飼育農家、和牛改良組合の役員ら約40人が参加した。
池間社長は、食肉センターの新築移転は、築後30年の老朽化した施設の修繕費が増えて経営を圧迫していることへの対応や、消費者への安全・安心な食肉の安定供給のために急務と述べ、野原での建設に理解を求めた。
質疑で肉用牛農家の一人は「畜産振興のためにも、必要な施設。補助事業が適用される13、14年度で造ってほしい。公園のように景観が美しく、清潔感のある施設にしてほしい」と賛成した。
一方、野原の男性住民は予定地は、聖地の近くにあると指摘し、そういう所にと畜場を建設するのはふさわしくないと反対を表明。仮に、建設を強行すれば反対運動も辞さない考えを示した。
予定地がなぜ現在地でなく、野原になったかの質問に、池間社長は「取り壊してから新築となった場合は、約1年半の間、島内でと畜できなくなる」と、移転しか選択の余地がないことを説明した。
昨年暮れに、近隣住民からどんな意見があったかについて池間社長は「迷惑だから来てほしくないとの意見が多かった。個人的には、郡民への食肉供給に寄与する施設と思っているので、残念だった」と述べた。
川上政彦専務は①と畜した家畜の胃や腸の内容物は堆肥化②牛海綿状脳症(BSE)に関係のある牛、豚の頭部は民間廃棄物処理場で焼却③汚水は法律に基づき処理-などを示し理解を求めた。家畜は建物の中に繋留するので、「においや鳴き声は、気になるほどのものではないと思う」と述べた。総事業費は5~6億円を見込んでいる。