「うなぎ」で暑さ乗り切る/土用丑の日
仕入れ値「うなぎのぼり」
きょう27日は土用の丑の日。日本には古くからうなぎ料理で滋養を取り、厳しい暑さを乗り切る食習慣があるが、今年はうなぎの価格が文字通り「うなぎのぼり」。市内のうなぎ料理店では、仕入れ値の高騰に頭を悩ませている。うなぎの大きさを調整し、価格を据え置く努力をしたり、やむなく値上げをするなどして、対応している。
うなぎ料理店の店主の一人は「このまま値上がりが続けば、メニューからうなぎ料理を外すことも考えなければ」と話し「店を開いてから約30年、こんな事態は初めてだ」と、価格の先行きが見えない状況に不安を隠せない。
市内の大手スーパー3店舗も仕入れ値が昨年と比べ20~30%上昇した。企業努力で差額をある程度吸収しているものの、昨年の価格よりも割高になっている。
高騰の原因はウナギ稚魚の漁獲量の激減。水産庁によると、1963年に約230㌧あった稚魚の漁獲量が2010、11、12年と3年連続で10㌧を割った。
ウナギ稚魚の1㌔当たりの価格は、昨年は平均80万円だったが、今年は200万円を超えた。昨年の2~3倍に跳ね上がった。それに伴い、活きウナギの仕入れ値も同様に値上がりした。
夏の土用の丑の日は立秋前18~19日間の日で十二支が丑の日をいう。この日にうなぎ料理を食べる習慣は江戸中後期に平賀源内が馴染みのうなぎ店から「夏に売れないうなぎを何とか売る方法はないか」と相談を受けた。平賀源内が「本日土用丑、うなぎ召しませ」と看板に書いたところ大繁盛し、他店もまねを始めた。以来この習慣が広まったという。