インフルエンザ院内流行/宮古病院
見舞い自粛など求める
県内でインフルエンザが流行し、沖縄本島では注意報レベルに達している。宮古病院(安谷屋正明院長)は3日、臨時の会見を開き、2日までに同院内で入院患者6人、病院職員3人の計9人がインフルエンザを発症したことを明らかにし、病院内流行の拡大防止を図る対策として、入院患者への見舞いなど、病院内への不必要な出入りを控えるよう住民に対し理解と協力を求めている。
同病院では先月22日にインフルエンザに感染した患者1人が確認されて以降、院内流行が広がっている。これまでに院内・外来を合わせて158件の検査を行ったが、うち29人に陽性反応が表れた。入院患者に対しては院内感染を防ぐ措置がとられているが、入院患者の見舞客がウイルスを持ち込んだ可能性が高い。
安谷屋院長は「急性期医療を扱う中核病院であるため、入院制限措置は何としても避けたい。発熱などの症状がある人の病院の立ち入りは控えるようお願いしたい」と病院利用者へ協力を求めた。
同院で感染症を診療する上原元太医師はワクチンを予防投与するなどして感染拡大の防止を図っていることなどを説明し、「1人の患者が見つかると爆発的に拡大する可能性があり、薬剤の在庫管理が非常に難しい。基礎疾患を持っている入院患者は重症化する危険性があるため、ウイルスを外から持ち込まない対策が必要だ」として、インフルエンザにかかる可能性のある場所に出入りした人の立ち入りもなるべく控えるよう呼び掛けた。
また、感染管理認定看護師の渡嘉敷智賀子さんは、「咳エチケット」のマナーを守り、うがい手洗いを励行することを呼び掛け、「どうしても病院内に立ち入らなければならない事情のある人はマスクをし、せきによる飛沫が飛ばないよう、十分な対策を行ってほしい」と説明した。
宮古管内での7月23~29日までのインフルエンザ定点観測患者数は3・25人だが、同院では圏域内の流行を含めて予防策を講じたいとしている。