夢持つ大切さ訴え/岸川政之氏
将来テーマに講演/「高校生レストラン」の例 紹介
高校生と保護者を対象とした講演会「てぃだフォーラム」(主催・宮古島地域雇用創造協議会)が18日、ぱいながまホールで開かれた。三重県多気町職員で、テレビドラマ化されるなど全国的に注目を集める「高校生レストラン」の仕掛け人である岸川政之氏が高校生の将来について講演。集まった高校生たちに「君たちの可能性は無限。夢を持って一生懸命に頑張って」と呼び掛けた。
「将来を考えるなら、進学にも就職にも大切なこと」をテーマに講演した岸川氏は、多気町内にある唯一の高校で食品調理科がある三重県立相可高校の食物調理クラブの生徒が運営する「高校生レストラン」こと「まごの店」の2002年にオープンに尽力。高校生が運営するという話題性だけでなく、地元特産品を使ったメニュー開発が地域活性化につながったとして多くの報道番組で紹介され、昨年にはテレビドラマ化された。
岸川氏は、高校ではできない接客とコスト管理を研修するため、町が9000万円を掛けてレストランを建設したことを説明。「県立の高校に町が9000万円も掛けることに町民から苦情はなかった。みんな町にある高校のために何かしたいと思っていた」と語る。
運営する食物調理クラブの生徒たちは、平日は朝早くから夜遅くまで部活動を行い、土、日曜、祝日にはレストランを営業するなど休みがない状態で頑張っていることを紹介するとともに、「甲子園を目指す野球部が休みなく練習するのと同じ」との考えを示した。
高校生に向かって「君たちの可能性は無限大で、何でもできる」と訴える岸川氏。相可高校の環境創造科の生徒たちが地元の製薬会社と共同開発したハンドクリームが、現在では全国で販売されているだけでなく海外へ輸出されるほどの商品に成長している例を挙げ、「小さな町の高校で農業を勉強している子が考えた商品が全国へ広がっている。みんなにもその可能性がある」とエールを送った。
講話を聞いた与那城貴俊君(宮高1年)は「自分の町を活気付けている話を聞き、同じ高校生としてとても刺激を受けた。自分も宮古島をもっと盛り上げる人になりたい」、下地祐瑠さん(同2年)は「同じ年代の高校生が目標や夢に向かって頑張っているのはすごいと思った」と感想を語った。
岸本氏はあす20日、同会場で19時から、市民向け講演を行う。入場無料。