きょう旧盆「ンカイ」/スーパーにぎわう
空港は帰省ラッシュ
先祖の霊を迎えて供養する年中行事の旧盆が、きょう30日から始まる。宮古では「ストゥガツ」と呼び、旧暦の7月13~15日の3日間行う。旧盆入りを控えた29日、市内のスーパーは仏壇に供える果物や料理の材料を買う人で混雑した。宮古空港には、大勢の旧盆里帰り客が降り立った。
日本トランスオーシャン航空(JTA)の午後4時宮古着便は、満席となった。
東京に住む中野セツ子さんは毎年正月と十六日(ジュウルクニツ)、旧盆の3回帰省する。「家族、親戚がそろう旧盆の里帰りは、都会の疲れを吹っ飛ばす。30年東京にいても、いつも先祖を大事に思っている。私は根っからの宮古人」と笑顔いっぱいだった。
スーパーには肉や紅白カマボコ、花、ナシやスイカ、バナナ、リンゴ、パイナップルなどがそろい、飛ぶように売れた。
平良安子さん宅は、約10家族が集う本家(ヤームトウ)。「日ごろは仕事が忙しいので、一緒になる機会は少ない。そろって団らんするのが楽しみ。神様には、親戚一同の健康と、お金ももうかるよう願う」と話した。食材は肉や刺し身、果物などをかごいっぱい買った。
市公設市場の青空市には、神様のつえになるとされるサトウキビも取りそろえた。精肉店では、豚肉が通常の3倍売れた。豚肉を買った60代の女性は「市場の品物は、どれもが地元産で新鮮」と満足そうだった。
旧盆の初日は「ンカイ」といい夕方、果物や料理を供えて神様を迎える。2日目が「ナカビ」、3日目は「ウフイユー」と称し、夜遅くに神様を送る。焼香する人は、「ナカビ」に集中するという。