違法犬192匹を捕獲/11年度保健所まとめ
狂犬病予防義務3割が果たさず
2011年度に宮古島市と多良間村で捕獲された違法犬は合わせて192匹で、飼い犬や野犬にかまれけがをした件数は30件となり、前年度に比べ若干減少していることが宮古福祉保健所のまとめで分かった。犬の登録数は1886匹だが、飼い主に毎年一回義務づけられている狂犬病の予防注射は1315件で、約3割の飼い主が義務を果たしていないことが浮き彫りとなった。家畜の被害や放し飼いへの苦情も多く、飼育マナーやルールが指摘されている。26日までは「動物愛護週間」。
捕獲された違法犬192匹のうち、飼い主に返還されたのが44匹、別の飼い主に引き取られたのが8匹、けがや病気などで死んだのが5匹で、残りの130匹余りは県動物愛護管理センター(南城市)へ移送されほぼすべての犬が殺処分された。
保健所では捕獲した犬は5日間(休日、祝日除く)は同所で保護し飼い主や「里親」が現れるのを待つが、ほとんどが飼育放棄された犬のため、引き取られていくのは少ないという。
犬にかまれけがをした30件のうち、野犬は2件、残りの28件は飼い主不明を含めた「飼い犬」だった。
同所では飼い犬に手を出してかまれたり、配達や訪問の際に襲われるケースが多いとしてしつけや飼い方など、飼い主側の意識の向上を呼び掛けている。
野犬に襲われたとみられるヤギや子牛などの家畜被害は16件で前年度より3件減少した。
同所では依然として放し飼いが多い現状を指摘。野犬化につながる恐れや、去勢・避妊していない犬、猫が、新しい野良犬、野良猫を増やす傾向にあることから、繁殖を望まない飼い主には避妊・去勢手術の徹底を呼び掛けている。
市や県獣医師会では、動物愛護思想の普及啓発事業の一環として、犬や猫合わせて350頭を対象に避妊・去勢手術の費用の一部を助成している。
助成金は犬の雄と雌、猫の雌が5000円。猫の雄は3000円となっている。
募集期間は第1期が9月18日~11月30日。第2期が12月1日~来年1月7日まで。
問い合わせは赤嶺獣医科病院(電話72・7976)、宮里動物病院(同73・6130)