統合案に「絶対反対」/来間小中学校区
撤回求める意見続出/市教委 学校規模適正化で説明
来間小中学校区を対象とした市教育委員会による学校規模適正化素案(見直し案)説明会が23日夜、同校で開かれた。説明会には児童生徒の保護者や地域住民ら26人が参加。川満弘志教育長は「規模適正化は待ったなしの課題」として来間中学校と下地中学校の統合に理解を求めたが、参加者は「絶対に反対だ」として統合案の撤回を求めた。
市教育委員会の当初の基本方針では来間中学校と下地中学校、来間小学校と下地小学校をいずれも2014年度までに統合するとしていたが、見直し案では中学校は基本方針通り14年度までに統合。小学校については「統合することを検討する」と統合時期を限定しない内容に変更した。
説明会で川満教育長は「宮古島市は過小規模校や小規模校が多く、教育を強くする力が分散している。それを束ねる必要がある」と規模適正化の必要性を主張した。引き続き担当職員が学校規模適正化の実施を目指す背景として、市の人口や児童生徒数が減少している推移や小規模校での教育上のメリット、デメリット、過小規模校ほど高額になる児童生徒一人当たりの管理運営費金額などの資料を提示した。
それに対し参加者からは、「前回の説明会で来間小中学校の存続と統合案の白紙撤回を求めたのに中学校の統合が見直されていないのはなぜか」、「今の来間中学校の教育が不十分だというのか」、「統合が必ずしも学力向上にはつながらない、「統合には絶対反対」など統合案に強く反発する意見が続出した。「下地中と統合したら来間の子がいじめの対象となる不安がある」、「海抜の低い下地中に通っていて万一、津波被害に遭った場合、市が責任を取れるのか」などの意見も出された。
そのほか、児童生徒一人当たりの管理運営費を資料としていることについて「コストの問題で統合しろというのか」、「統合を誘導する資料だ」などの批判の声も上がった。
川満教育長は一人当たりの管理運営費の提示について、「誘導ということは考えていない」と述べた上で、「そういう捉え方があるのなら今後は気を付けたい」と回答。また、過小・小規模校の利点は認めながらも「これからの時代を生き抜く子どもを育てることが、小規模校で十分に達成できるのか教育委員会として懸念を持っている」とあくまで統合による規模適正化を行うべきとの見解を示した。
「保護者の全員が統合に反対した場合、どうするのか」との質問には「今、答えることはできない。皆さんの意見を委員会に伝えるのが私の仕事」と答えるにとどまった。
同説明会は今後、31日に宮島、11月5日に狩俣、同6日に宮原、同12日には西辺の学校区で開催される。