次年度の取り組みなど確認/エコチル調査運営協
18人に委嘱状交付
「子どもの健康と環境に関する全国調査(通称「エコチル調査」)」の南九州・沖縄ユニットセンター2012年度琉球大学(沖縄)サブユニット運営協議会と実務者合同会議が30日、市内のホテルで開かれ、仲宗根正県宮古福祉保健所長ら委員18人に委嘱状が交付された。また、これまでの事業実施報告や13年度の活動などについても説明が行われた。
同調査は宮古島市を含む全国15の地区で10万人を対象に実施されている。調査開始から1月20現在で宮古島市における参加協力者数は553人で、そのうち366が出産している。
委嘱状を交付した同サブユニットセンターの太田孝男センター長は「沖縄の課題としてアンケート結果の回収率が低い。これからの取り組みはこのアンケート結果が中心となってくるので回収率向上に向けてしっかり取り組んでいこう」と呼び掛けた。
事業報告では、これまでに開催してきた会議や研修会の概要などが報告された。
そのほか、2013年度から始まる「疾患情報登録調査、詳細調査」について、熊本大学医学部附属病院新生児寄附講座の三渕浩特任教授、同大学大学院生命科学研究部エコチル調査南九州・沖縄ユニットセンターの小田政子特任教授が説明した。
エコチルの調査期間は21年間で、協力者の募集に3年、胎児期から出生後13年続けられ、その後5年かけて得られたデータの解析を行う。
集積、解析されたデータは人の健康に影響を及ぼす物質の環境基準値見直しの基礎データとして活用される。
調査対象となる環境要因はダイオキシン類やPCBなどの残留性有機汚染物質、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)、農薬など。その他の要因として、遺伝、社会・生活習慣、家庭環境、食事などが含まれる。