宮城さん厚労大臣賞/長年助産師一筋
取り上げた赤ちゃん3500人以上
長年助産師を務めた宮城育子さん=奥平産婦人科勤務=が、2012年度の産科医療功労者厚生労働大臣賞を受賞し31日、下地敏彦市長に報告した。大臣賞受賞は全国で41人、県内からは宮城さん一人。宮古の受賞者は、11年の浜元勝枝さんに次いで2人目となった。「とても感激している。賞は自分一人のものではなく、支えてくれたみんなのもの。賞を出発点に、これからも頑張っていきたい」と喜びを語った。
下地市長は「長い間の努力が報われて良かった。手話サークルなど福祉活動も素晴らしい。これからも頑張ってください」と祝福した。
宮城さんは、22歳で助産師の仕事に就いた。これまで約45年の間に、3500人以上の赤ちゃんを取り上げた。
「赤ちゃんが産まれると、周囲が明るくなる。おめでたい雰囲気に包まれる。母親は陣痛の苦しみから、笑顔になる。幸せな人生を願い、産湯に入れる。出産時の感動や感激には、助産師でないと出会えない」と仕事冥利を話す。
仕事の駆けだしのころ、生まれた子どもの中には、「孫が生まれた」と喜びの報告をする人もいるという。
手話サークル活動は、ろう者の出産を担当したのが、きっかけとなった。「産婦さんが、涙を流して苦しんでいるのに、言葉を伝えられなかった」ことに、ショックを受けた。1988年に手話サークル「がじゅまるの会」を結成。現在も活動を続けている。