必殺技の応酬に歓声/旧正月行事
アツママ御嶽で奉納角力
アツママ御嶽で11日、旧正月奉納角力が行われた。住民の健康を願う伝統行事には、子ども10人と大人4人が出場。訪れた市民らが、宮古角力ならではの豪快な技を堪能した。
アツママ御嶽の神主平良豪浩さんによると、奉納角力は38年ほど途絶えていた。市に土俵を作ってもらい2010年に復活。昨年まで3年間は新正月に行ったが、今年は伝統に倣った。
大人の部には、上野地区で一緒に稽古を積んでいる若者4人が出場した。最初から四つに組む宮古角力は、力感あふれる投げ技(ヌシ)や足技などが特徴。決勝は去年の宮古の重量級横綱宮国明彦さんと、軽量級の優勝経験者宮国哲次さんが対戦し、宮国明彦さんが得意技の「ヌシ」で優勝を決めた。子どもの部は、下地星慈君(南小4年)が優勝した。
宮国さんは「幸先良いスタートが切れた。宮古では五つの大会がある。体づくりをして、今年も上位を目指したい」と気合いを入れた。
奉納角力には県角力協会宮古支部(川満盛一支部長)が協力し、盛り上げている。閉会式で川満支部長は「きょうの奉納角力が、今年の幕開けになる。健康に留意し宮古角力を引っ張ってほしい」と若者たちを激励した。
宮古角力はかつて、部落や市町村の行事などで行われファンが多かった。その後、宮古角力は時代とともに衰退し、見る影もなくなっていた。津嘉山武さんや川満さんらが、6年前に支部を結成。今では若い愛好者が約60人に増えるまでに復活した。競技力も上地博晃さんが昨年の県大会軽量級で優勝するなど、トップレベルまで向上した。