不法投棄の実態を確認/福嶺学区の住民
撤去作業を見守る/美ぎ島創出へ意識高まる
城辺保良、同吉野の崖下に不法投棄されたごみの撤去作業が始まっている。9日には福嶺学区の住民を対象とする現場の確認が行われ、集まった約30人の住民が崖下の大量のごみを確認するとともに、クレーンでつり上げられる様子に驚きの声を上げた。参加住民らは「不法投棄をしない」などと宣言、撲滅に向けて活動する決意を固めた。
現場確認には下地敏彦市長も訪れ、
「みんなで島をきれいにしよう。せっかく撤去しているのに、同じ場所にまた捨てられるのは耐えられない」と述べ、行政と地域が一体となった防止活動の展開を強調。「ごみは指定の場所に置いてくれれば、市が責任を持って回収する。きれいな宮古島の実現に向けて、意識を広めていこう」と話した。
続いて、福嶺学区住民を代表して皆福自治会の川満登さんが宣言文を読み上げ①不法投棄をしない②不法投棄をする人がいたら注意する③不法投棄のない福嶺を目指す④きれいな海岸線の景観を守る⑤(不法投棄のない地域として)他の地域のモデルになることを目指す-と宣言した。
この後、参加者は保良の海岸線から人力とクレーンを使ってつり上げられるごみを確認した。同現場では今月4日に撤去作業を開始しているが、すでに1・2㌧ものごみを回収。撤去業者は「ごみは、まだ埋もれている」と話した。
海岸に下る斜面に足場を組んで作業をしているため通常の撤去作業に比べて困難を要しているという。
参加者は吉野の崖下に投棄されたごみも確認。車やタイヤをはじめ冷蔵庫、テレビ、建築廃材、家具、家庭用品など、ありとあらゆるごみがあった。
この現場のごみも全撤去を目指すが、どのぐらいの量が捨てられているのかは想定できないという。
二つの不法投棄現場を確認した参加住民らは、長年にわたって投棄されてきたごみの山にあ然とし、地域全体で不法投棄を撲滅していく誓いを新たにした。
宮古島市は今年度、不法投棄ごみの撤去費用として3000万円(一括交付金活用)を計上し、ごみのない島づくりを進めている。