がん検診 受診率が大幅減/宮古島市
特定健診導入後、年々減少/積極受診を呼び掛け
宮古島市のがん検診の受診率がここ数年で大幅に減少している。特に肺がん(レントゲン)検診は2007年の34・5%に比べ2011年度は15%と半数以下となっている。現在の特定健診保健制度がスタートした08年から肺、大腸、胃のがん検診の受診率は軒並み減少している。07年度までの住民健診と現在の特定健診の実施方法による影響が大きいと見られ、がん検診受診率向上に向け各種取り組みも行われており、市福祉保健部健康増進課では対象者に積極的な受診を呼び掛けている。
特定健診以前の住民健診は、集団健診で実施され、その健診会場(公民館など)でがん検診も併せて行われていた。
しかし、特定健診では従来通りの「集団健診」と医療機関で受診する「個別健診」のどちらかを選択することができるようになり、これががん検診の受診率低下に影響を及ぼしたようだ。
現在の特定検診でも「集団健診」では、従来通りがん検診は行われている。一方で導入当初「個別健診」ではがん検診が実施されていなかった。
そうした状況から、個別健診を選択した場合、がん検診を併せて受けることができなくなり年々、その受診率が減少してきた。
また同制度導入後、「個別健診」での受診の割合が年々高まり、11年度は約68%が「個別健診」での受診となっている。
肺がん検診は、特定健診以前の07年度は34・5%だったが11年度は15%に大幅減。大腸がんも07年度の17・2%から11年度は10・7%に、胃がんは07年度の13・2%から11年度は8・3%となっている。
こうした状況から、11年度から「個別健診」でも「胃」と「大腸」のがん検診が一部の医療機関で実施できるようになったほか、今年度からは「肺」も一部の医療機関でできるようになった。
「個別検診」でのがん検診導入で、11年度は年々減少傾向が続いてきた大腸がん検診は前年度とほぼ横ばい。胃がんは10年度の7・6%から若干増加して8・3%と持ち直してきている。
肺がん検診については、まだ受診率は確定していないが改善が期待されている。
健康増進課では「受診率が減少していた肺、胃、大腸のがん検診とも現在は個別健診でも受診できるようになった。早期発見、早期治療のチャンスなので積極的に受診してほしい」と呼び掛けている。
特定健診 40-74歳の国民健康保険加入者を対象にこれまでの住民健診に代わり、08年度からスタートした。心筋梗塞や脳卒中などの要因となる高血圧や高血糖などのメタボリック症候群の早期発見と予防、改善を目的としている。診査の結果、メタボリック症候群やその予備軍とされた被保険者は、保健師や管理栄養士による特定保健指導を受けることができる。