信号機設置「狭き門」/宮古島市
昨年18件要望もゼロ/今年度も18件求める
宮古島署管内に信号機が設置されるのは年間1基かあるいはゼロで、「狭き門」となっていることが分かった。市は前年度に18件の設置を同署に要望したが、12件が「不可」で、残りの6件は横断歩道の設置などを県警本部に上申するとした回答だった。市は今年度も18件の要望を提出したが県内の設置予定数は30基で、認められるには相当の時間がかかりそうだ。
信号機の設置については、市民や議員からの要望や市の独自調査などで「信号機の必要な危険な交差点」をリストアップし毎年、宮古島署に要望書を提出している。
前年度と重複する箇所もあるが、市は今年度も伊良部の3件を加えた計18件の設置を警察に要望した。
要望箇所は「陸運事務所交差点」「久松小学校東交差点・同正門前」「うえのドイツ文化村東交差点」など。主に団地や学校、住宅地で交通量が増えていることなどから、「子どもたちや地域住民の安全性を確保するためにも必要」としている。
種類は、「プログラム多段式」と呼ばれる一般的な交差点信号機から、押しボタン式、一灯点滅式などさまざま。市民生活課では「道路状況に応じた信号機の設置や時差式信号機への変更、または、交通量が以前より少なくなった交差点から別の場所への移設なども検討していきたい」と話している。
県警本部交通部交通規制課によると、今年度の県内での設置予定は30基で、予算総額は1億4700万円となっている。
設置箇所は①事故発生の頻度②事故の形態③交通量-などを総合的に勘案し「事故の抑止が困難」と判断すれば設置が決まる。
同規制課によると信号機1基の設置費用は、交差点の規模にもよるが標準式が約460万円。押しボタン式は約320万円という。
市民生活課では、伊良部大橋が開通すれば国道390号(通称バイパス線)など、アクセス道路の交通量が増えると予測。また、宮古島の南岸を通る県道保良上地線(一周道路)が開通したことで、観光客のレンタカーが増える可能性があることなどから、「警察から『設置は不可』との回答があっても、1年経つと道路状況は変化する。設置は厳しい状況だが今回は認められなくても再度要望していく」と話した。