「麻姑山」を発行/故平良好児さんの句集
生涯7000余りの作品残す
宮古の文学界をリードしてきた故平良好児さん(1911~1996年)の俳句を収録した「麻姑山 平良好児句集」がこのほど、麻姑山書房から発行された。
平良さんは「宮古文学の種蒔く人」と知られ、生涯7000余りの俳句の作品を残したが、句集は一冊も出版しなかった。
平良さんの遺志を受け継ごうと生前、平良さんとゆかりのあった伊志嶺亮さん、仲宗根將二さん、友利昭子さん、宮川耕次さんが「平良好児句集をつくる会」(伊志嶺亮代表)を発足させ準備を進めてきた。
平良さんが感じたことや人生感などを自然や風景などの季節感とともに詠んだ俳句は、「島のあけくれ」「虹の足」「ピカソの青」など11のタイトルに分けて計518句が収録されている。
つくる会の友利さんは巻頭で「この句集は(平良好児)先生の夢ののこりのひとつなのかもしれない。ここには表記や季語や定型からも解き放たれ、自由に羽ばたく好児先生の青潮(オースゥー)のような世界が広がっている」と記している。
巻末では仲宗根さんが「麻姑山俳句会」は平良さんの遺志を引き継いで活動を続けていることや、「ゆいみなぁ俳句会」「宮古島ジュニア俳句育成会」「しきなみ短歌会」「宮古島文学」「宮古ペンクラブ」など、数々のサークル名を挙げ「好児が生涯もっとも排斥した『文学不毛』は、たとえ『俗論』であってももはや口にする人はいないであろう。『種』は確実に定着し広がりつつあるのである」と綴っている。
装画・表紙デザインはのひなひろしさん。A5版サイズ。129㌻。
問い合わせ先は麻姑山書房(電話72・7669)まで。