来年5月から台湾航路開設/高雄へ週1便運航
琉球海運
【那覇支社】琉球海運では、2014年5月に台湾・高雄への定期貨物航路を開設すると24日、山城博美社長、宮城茂専務、翁長春雄常務が発表した。現在の博多・鹿児島―那覇―宮古・八重山航路を延長して高雄港へ運航する。高雄港は台湾最大の国際中継貿易港。週1便の運航を予定している。
琉球海運の台湾への運航は2度目。1963年から72年まで基陸港に就航していたが、日中国交正常化による中国航路の開港や、ソーラス条約(国際航海船舶や国際港湾施設の安全確保の国際規則)により船舶の大型改造に莫大な経費を要するため、台湾航路を終了。来年の就航は40数年ぶり。
山城社長は「沖縄を中継地に、九州地域と台湾を結ぶ新たな物流ルートの開拓は、県の21世紀ビジョンの国際物流拠点の形成に貢献し、沖縄産業の振興に大きな役割を果たすと確信する」と話した。
国際貨物を取り扱う港湾には、ソーラス条約が適用される。山城社長は「那覇港と石垣港の港湾整備事業は完了しているが、博多港や鹿児島港、平良港に対しても、早期の促進を並行してお願いしている。平良港に関しては宮古島市が非常に協力的で、14年5月の航路開設までには何とかするとの返事をもらっている」と述べた。
使用する船舶は現在、九州―沖縄航路を運航している「みやらびⅡ」(1万184㌧。全長168㍍、幅26㍍、航海速力21・5ノット)。10年に初就航した同船は、普通乗用車や建機を自走で船積み可能なローロー型の貨物船。貨物積載量は13㍍トレーラー160台、乗用車245台。
同社によると、新しい航路開設には運航要員の確保や、輸送機材(トレーラー、コンテナ)の製作など、莫大な初期投資が必要だが、現在保有する同船の運用により、新規の設備投資が抑えられ、低コストの航路運営が可能になる。「低コスト、高速、定時」をモットーに 将来的には高雄港を基点に香港、上海、シンガポールなど、アジアの主要港と海上ネットワークを構築して、県内企業のアジアへの進出や交易に役立てたい考え。
今回の九州―沖縄―台湾航路は、当面週1便からスタートして、貨物需要の拡大によっては便数を増やし、充実した輸送サービスを提供する方針。
先島・台湾航路は、金曜日午後7時那覇港発、土曜日午前4時平良港着、午前7時同港発、石垣港経由で日曜日午前7時高雄港着。