長持ち住宅を評価/エコハウスを視察
全国から研究者30人
地方の風土に適した建築様式を研究している大学教授や建築研究機関の職員ら約30人が25日、全国から来島し、市内根間地区の市街地型エコハウスなどを視察した。
講師は、同ハウスの設計者で一級建築士の伊志嶺敏子さん。内装は、すべて木材を使う昔の建築様式を取り入れた。外部は鉄筋コンクリートで、台風に耐える構造だ。
伊志嶺さんは、100年は持つと耐用年数を推測。「どれだけ住み続けられるかが、エコの基本になると思う。建物は長持ちで、ローコストが一番いい」と強調した。
大分大学の久保加津代名誉教授は「伊志嶺さんの設計は、進化している。使い続けるエコを追究した点が素晴らしい」と評価した。
北海道の道立総合研究機構北方建築総合研究所に勤める馬場麻衣さんは、吹き抜ける風を受け、「涼しい」と笑顔だった。
夏は南風が吹き込む設計で、クーラーは要らない。電気料金が一般的な家庭と比べて安くつくことも「エコハウス」と呼ぶ理由になるという。
山梨大学の田中勝教授は「木の肌触り、香りに心が安らぐ。伝統的建物を応用しただけあって、宮古の風土に適していると思う。多くの市民の皆さんに、見ていただきたい」と話した。
今回の視察研究は、日本建築学会に所属する住宅の地方性小委員会が主催した取り組み。初日はエコハウスのほかに、市営馬場団地を視察した。きょう2日目は、県営平良団地や市営北団地などを巡る。