高卒予定者の求人スタート/宮古公共職業安定所
初日は3社から一挙37人
来年3月に高校卒業を予定している生徒の求人が20日、宮古公共職業安定所(岩野眞司所長)でスタートした。初日の求人数は3社から37人と、昨年の5人と比べ大幅な増加。今年は職安と市、校長会3者合同の求人要請が効を奏し好調な出足となった。岩野所長は「地元就職を希望する生徒は早めに求人内容を確認して、早く就職先を決めてほしい」と呼び掛けた。
新規高卒予定者の求人解禁日となった同日は、企業の人事担当者らが職安の窓口を訪れ、求人票を提出した。選考・内定は9月16日から始まる。
求人票を提出した企業は、宮古島東急リゾート(求人数4人)、南西楽園リゾート(同13人)、ウェルコム(20人)の3社。例年の地元企業求人は8月以降が多くを占め遅れがちだが、今年は合同要請もあり早くなった。
求人票を提出した各企業は「若者たちを宮古に就職させたい」と、同じ思いを持つ。早期の求人票提出については「選択肢が広がり、島外流出を少しでも防げる」と強調した。
東急は毎年、4~5人を採用し、過去5年間では19人に上った。同社は、採用した高校生を本土の系列ホテルに出向させることも考えているという。
南西楽園は事業が拡大したのと合わせて、地元優先求人をアピールするため、一挙13人の求人に踏み切った。
ウェルコムの高校生採用は初めてで、地元企業の20人の求人は、過去にはなく最多。同社の担当職員は「本土就職を好む宮古の高校生が、地元にどれだけ応募するか見てみたい」と話した。新人の研修は、十分整っているという。
宮古の高卒者らは都会志向が強く、卒業と同時にほとんどが島を出て行く。以前から続く同状況が、過疎化や高齢化の原因とされるが、歯止めが掛かっていない。
職安や市、校長会の企業や商工会議所への求人要請は、若者の地元就職促進による、地域活性化に寄与する狙いも込め、昨年から行うようになった。
地元企業の高校生求人数は11年度学卒が25人、12年度が45人と増える傾向にある。