宮古馬40頭に到達
辺保良で誕生/50頭達成へ期待膨らむ
城辺保良で雄の宮古馬が誕生し、全体の飼養頭数が40頭に達した。1985年に本格的な増頭運動を開始して以来、40頭台に到達するのは初めて。宮古馬保存会が目標とする50頭が現実味を帯びており、同会をはじめとする関係団体の期待は膨らむ。誕生と事故死を繰り返して伸び悩んできた宮古馬だが、約30年の月日を経て、増頭運動の成果が表れ始めている。
城辺保良で宮古馬が産まれたのは先月11日。飼い主によると、日中の明るい時間帯に産まれた。
10年以上の飼育経験の中で初めての子馬誕生だという。「感慨深い。産まれた子馬があまりにもかわいいものだから毎日のように抱きしめている」と新しい命の誕生を喜んでいる。
この子馬の誕生で今年産まれた宮古馬は計5頭。例年に比べて比較的速いペースで増頭が進んでいる。保存会でも「50頭に向けて順調な増頭」としており、目標の達成に向けて手応えを感じているようだ。
目標の50頭は、頭数を安定的に維持し、かつ保存のために必要な頭数とされている。あと9頭で一つの節目を迎えるだけに関係団体の期待は大きい。
増頭運動は1985年に開始。粟国島から宮古馬を買い取って飼育を始め、92年には20頭に、2007年に30頭まで増やした。
その後は毎年のように産まれているが、事故死などの死亡が相次いで増減を繰り返し、思うような増頭が進んでいなかった。
宮古馬は日本在来馬8馬種の一つ。過去は農耕で使われたが、耕運機の普及とともに利用価値が低下して頭数が激減した。貴重な在来馬を保存するために宮古馬保存会が発足し、増頭運動を展開してきた。現在は9個人と1団体が宮古本島内で飼育している。