予定地での建設に反対/新食肉センター
地域住民が意見陳述/都市計画公聴会
上野野原の旧家畜セリ市場への新築移転を計画している新宮古食肉センター建設に関する都市計画原案について、事前に申請のあった市民が意見を述べる公聴会が10日夜、市役所下地庁舎で開かれた。意見陳述を行ったのは野原地区住人ら7人で、地下水汚染の懸念や予定地は法的に建設が認められない場所との考えを示し、全員が同所での建設反対と計画の撤回を訴えた。
同公聴会には市都市計画課と畜産課の担当職員と事業者である宮古食肉センターの池間等志社長らが出席した。
意見陳述では7人全員が、「予定地は、と畜場を建設することはできない場所であり、計画には反対」との立場を表明。その理由としては、県と畜場法施行細目で「公衆衛生上危害を生ずる恐れがあると認められる場所」に指定されている公園(トロピカルフルーツパーク)が予定地近くにある▽東添道流域の上水道水源地上に建設予定地があり地下水汚染の恐れがある▽市都市計画マスタープランで示した自然環境保全や景観計画でうたわれている丘陵緑地の保全といった理念に反する▽地域住民の不安に対し科学的な根拠が示されていない-ことなどを挙げた。
意見陳述を聞いた都市計画課の平良雅清課長は「今回の意見を担当課や食肉センター、関係機関と協議、検討した上で、意見に対する見解を書面にまとめ、発表者と市都市計画審議会に提出したい」と語った。
同都市計画については今後、7月下旬から8月に計画案の公示・縦覧を2週間行い、市民から案に対する意見書を公募。8月下旬から9月上旬には市都市計画審議会を開き、今回の陳述や市民からの意見書の内容など踏まえ、同計画の採否を協議する。同審議会で計画が採択されれば、県知事に同意を申請し、同意が得られれば計画決定となる。