かん水車フル稼働
61台がピストン往復
サトウキビの塩害と干ばつをくい止めるため、19日に稼働を開始した補助かん水トラックは現在、かんかん照りを受けフル稼働に入った。30日に新たに加わった10台と既存の51台を合わせ計61台が容量10立方㍍(10㌧)の水タンクを積み給水所と畑をピストン往復。運転手らは午前6時から午後7時ごろまで10~15回運び据え付けた放水銃を使い、乾き切った畑に水を吹きかけている。
宮古島地方は台風7号に伴う12日の29㍉以降、降水量ゼロの日が続く。キビへの干ばつ被害はじわりと進み、葉が萎える現象が見られるようになった。各農家は被害を最小限に抑えるため、かん水を申し込んでいるという。
宮古地区トラック事業協同組合によると19日から29日までの11日間で、3590台分をかん水した。製糖工場管内別内訳は沖糖1500台、宮糖1590台、伊良部が500台。29日は沖糖が250台、宮糖208台とフル稼働だった。
宮糖の給水所には30日、トラックがひっきりなしに出入りし、給水待ちをする車も見られた。
28歳の男性運転手は、上野の名加山辺りと12往復した。「暑さの中、散水は大変だが、被害を防ぐためには頑張らないと」と気を引き締めていた。水は種苗用や春植、株出に優先してかけているという。
かん水の1巡目は、1農家当たり30㌃(9台)まで。費用は1台当たり3500円で市の補助が2000円、農家は1500円負担する。かん水は製糖工場の原料員に申し込む。
宮古土地改良区は、大型トラックに使用できるⅢ型給水所18カ所を無料開放した。沖糖と宮糖の給水所も開放している。
週間天気予報によると6日まで「晴れマーク」が続く。農家や農業関係者らは「早く雨が降ってほしい」と願う。