地下ダム きょうから夜間断水/市、改良区
使い過ぎファームポンド区域/かん水ルール順守呼び掛け
農林水産部の村吉順栄部長や宮古土地改良区の石嶺明男事務局長らが31日、市上野庁舎で記者会見し、水を使い過ぎているファームポンド(FP)の区域について夜間断水を実施すると発表した。期間は8月1~15日。限りある地下ダムの水の有効利用や、過剰使用による水圧低下の改善を目的に実施する。
水圧低下は、揚水量を超える水使用でFPの水位が低下して起こるもので、水がスプリンクラーから勢いよく吹き出ない影響が出るようになった。市と改良区は「同状況を無くすためにも、断水はやむを得ない」との考えも示した。
断水の時間帯は、午後6時から翌日の午前9時。断水は予告なしに、計画水量を超えたFP地区で行う。夜間断水後の通水は、午前9時をめどに開始する。
改良区が設定する散水時間帯は、午前6時から午後10時。多良間雅三農地整備課長は「かん水は週に1回、10㌃当たり30㌧を目安にしている。この量で作物は十分成長する」と強調した。
ルール違反は、散水曜日や散水時間帯が守られないケースが多い。地区全体の1日最高の違反は500カ所、東山FPでは、200カ所確認した。夜中の3時まで、垂れ流す人も多いという。ルール違反が水の使い過ぎを招いているため、市と改良区ではかん水ルールの順守を呼び掛けている。
地下ダムの水量は、干ばつに伴って減り続け、このままいけば福里ダムは70日、砂川ダムは50日で、底を突くと試算した。福里ダムの31日現在の水位は満水時より1・6㍍、砂川ダムは4㍍低下した。
改良区は「宮古島の夏場は、少雨傾向が続く可能性がある。これから始まるサトウキビの夏植や施設野菜などでも使えるよう、各農家には節水に努めてほしい」と呼び掛けた。