雨よ降れヒヤサッサ/城辺比嘉
クイチャーで雨乞い/天に届けとキビ農家ら
少雨状態が続く宮古島地方に恵みの雨が降ることを祈願する「雨乞いクイチャー」が4日夕、城辺比嘉自治会(下地修会長)で行われた。農作業を終えたサトウキビ農家らが参加。大地を踏みしめて天に届けとばかりに「ヒヤサッサ」と声を張り上げた。地下ダムでは龍の舞が披露され、水が満々と貯まるよう竜頭を空に突き上げた。
雨乞いのクイチャーは午後5時から、比嘉公民館前の広場で行われた。
スピーカーの音量を最大限にし、地域の人たちが輪になって土煙が上がるほどに大地を踏みしめた。
かん水を終えたトラックも来て、クイチャーの輪の中に散水し恵みの雨を演出した。
しばらくすると北の空に雨雲が広がり、「祈りが通じた」と住民たちを一瞬喜ばせたが雨は降らなかった。
参加した下地初枝さんは、1975年の沖縄国際海洋博覧会の会場で3日間、クイチャーを踊ったことがあるという。「比嘉のクイチャーは伝統がある。私たちの願いは、天の神様にきっと通じる」と笑顔を見せた。
照屋秀雄さんは、旧城辺町時代にも雨乞いクイチャーを踊ったことがあると言い「その時も雨が降った。過去の経験から高い確率で雨が降る」と自信たっぷりだった。
この日は、福東にある地下ダムでも宮古龍獅団(砂川吉一団長)が龍の舞を披露した。
龍は水のシンボルともいわれることから、雨を呼び起こしてほしいと17㍍の龍を太鼓とかねの音に合わせて上下左右に動かした。
地下ダムを管理する宮古土地改良区の仲間克理事長は「このままだと地下ダムの水が心配だ。農家のために一雨ほしい」と話した。