改修工事が始まる/アツママ御嶽神殿
学問の神として信仰されているアツママ御嶽(平良西里)の老朽化した神殿の改修工事が7日、はじまった。同御嶽を管理している平良豪浩さんの呼び掛けで、友利敏子さん(沖縄空輸社長)らの善意が寄せられ、倒壊寸前だった神殿の修復工事に着手した。平良さんは「期成委員会を立ち上げ、拝所など御嶽全体の改修工事を行いたい」と話し、御嶽近隣の東、栄、出口、羽立の四カ字自治会の住民に対し改修費用などの協力を求めていきたい考えだ。
同御嶽の拝殿後方にある神殿は、老朽化と台風被害によって著しく損傷していた。平良さんは歴史的にも価値のある同御嶽を保全するため、市に対し文化財指定の申請を行い、修復保全などを求めたが、市教育委員会は市文化財保護審議会の諮問答申を経て、「要件を満たしていない」などとして、今年1月に文化財指定を見送ることを決めた。
「里御嶽」を守りたいとの思いから、その後、平良さんは友利さんに神殿改修について相談し、改修工事を行う照屋建設などの協力を得て、改修工事に踏み切ることができた。
善意を寄せた友利さんは「自分のアイデンティティーが育まれた大事な場所であり、地元の人が守ってきた歴史的にも価値のある貴重な場所。娘たちとも相談し、改修費工面に協力させてもらった」と話し、今後、同期成委員会に加わり、平良さんとともに拝殿など同御嶽全体の改修工事にかかる費用の寄付を募っていきたいとの思いを述べた。