子どものアレルギー増加/琉大の知念准教授
エコチル調査で市民講座
「子どもの健康と環境に関する全国調査(通称・エコチル調査)」の関連で24日、2013年度の第1回市民公開講座が平良保健センターで開催された。琉大医学部の知念安紹准教授は「子どものアレルギーのヒソヒソ話」と題して講話。知念准教授は、子どものアレルギーが近年増えた理由は分かっていないとしたものの、「近代的環境で著しく増加した化学物質の暴露が、その後のアレルギー疾患に関与している」との仮説を示した。
同講座は、エコチル調査南九州・沖縄ユニットセンター琉球大学(沖縄)サブユニットが主催した。
エコチル調査は全国15地区の母子を対象に行い、県内では宮古のみで実施している。
県内の調査責任者を務める青木一雄琉大教授は「講座の内容を子どもの成長や、平素の健康管理に役立ててほしい」とあいさつした。
アレルギーは、本来無害なはずの食べ物や花粉などに過敏に反応し、自分自身を傷つける症状。種類は①気管支喘息②アレルギー性鼻炎③アトピー性皮膚炎④食物アレルギーなどがある。
花粉症以外のアレルギー疾患は、8割以上が3歳前に発症し、発症年齢はさらに低年齢化する傾向にあるという。
国立生育医療センターで実施されている調査によると、5歳児の大部分がダニや花粉などに反応する特異な抗体を保有していることが判明。「近い将来におけるアレルギー疾患者のさらなる増加が強く危惧される」と述べた。
アレルギーの発症防止に関しては①ダニの死骸・フンを減らすために3日に1回、寝室は毎日掃除する②布団は週1回20秒以上掃除機をかける③布団の天日干しの後に必ず掃除機をかける-などを助言した。
食物アレルギーの場合以前までは「食べるな」が、対処法だった。現在は「食べることができるかどうか」の確認を行い、「必要最小限の食物除去」にとどめるようになった。
正本仁琉大准教授は「胎児発育と妊娠中の異常について」と題して話した。講話後、若い主婦たちが活発に質問。正本准教授はこれに、丁寧に答えていた。