地域の歴史、後世へ/上野地域づくり協
35人が史跡・戦跡巡る
博愛の里上野地域づくり協議会主催の史跡・戦跡巡りが24日、上野地区を中心に行われた。子どもからお年寄りまで幅広い年齢層の35人が参加し、地域に残る貴重な史跡と戦跡を散策して歴史認識を深めた。
同協議会として史跡巡りを行うのは初めて。旧上野村時代は村教育委員会主催で実施されていたが、合併後は途絶えていた。「宮古島の史実と、戦争の歴史を後世に伝える」(野原勝也会長)ために同協議会内で議論し、初開催に至った。
参加者は主に上野地域の親子だが、一部平良在住の市民からの参加希望にも応えた。一行は▽ピンザアブ洞穴▽大嶽城跡▽野原の霊石▽旧日本軍陸軍中飛行場戦闘指揮所▽ティマカ城跡▽ドイツ商船遭難の地記念碑-などを回った。
今も山中に残る旧日本軍陸軍中飛行場戦闘指揮所は参加者の視線をくぎ付けにした。爆撃などで一部が破壊されたコンクリート造りの指揮所の中に入り、戦争の爪跡を確認した。
ピンザアブ洞穴では、2万年前の旧石器人の化石をはじめ、シカ類、ヤマネコ類など、現在は宮古島に生息していない生物の化石が発掘されたことを学習。講師を務めた佐渡山安公さんは「この化石は、昔は大型の生物が生きていける環境が宮古島にあったことの証明になる。宮古島の生い立ちも分かってくる貴重な遺跡です」と説明した。
上野小5年の小禄琉空斗君は「普通の洞窟と思っていたけど説明を聞いていろいろ驚いた。今は宮古にいない動物の化石がたくさん出ていることなどとても勉強になった」と話した。