生活者目線の「まちづくり」へ/西里大通り商店街
中心市街地再生に向けて/古川氏招き講演会
西里大通り商店街振興組合(羽地昇子理事長)主催の「まちづくり講演会」が26日夕、市平良西里のギャラリーTOMEで開催された。「シャッター通り」と化した中心市街地を再生し、全国的にも中心市街地活性化事例として有名な香川県高松丸亀町商店街振興組合理事長の古川康造氏を講師として招き、同商店街が再生に至るまでの経緯や同商店街が行った開発手法などについて講演した。講演会には多くの西里通りの商店主や地権者が集まり、熱心に古川氏の講話に耳を傾けた。古川氏は「商業者目線から生活者目線へ考え方をシフトさせることが重要だ」と述べ、丸亀町商店街の事例を紹介した。
講演会の冒頭、古川氏は都市計画上、中心市街地は最も重要な場所との位置づけで国が再生策に関する諸制度を打ち出したことを説明。その上で、地権者との「土地問題」が再生を図る上での最大ポイントとなることを強調した。
古川氏は「公共投資、民間投資、インフラ整備がすでに行われた地方の中心市街地は、まさに宝の山だ」と述べ、丸亀町では地権者と商店主の合意形成を図り、納得した上で、新たに60年スパンの土地賃貸契約システムを構築したことなどを説明した。
丸亀町商店街の場合、あすにも倒産寸前の地権者が多くいたため、民間活力(民間主導)を中心にして計画を立案し再生計画への理解が円滑に図られたことなどを話した。
また、再生計画に着手する段階でも①土地利用方法をコントロールする法人の設立②高齢化社会に対応した病院等の誘致-などの生活者の利便性に力を注ぐまちづくりのコンセプトにしたことなどを説明した。
古川氏は「居住者がいれば、必ず商店街は活性化する。郊外型大型店舗には、これら生活者の視点がなく、もっぱら消費者のみが集まる場所。地域への経済還元もまったく行われていない」と述べ、「丸亀ではダウンタウンで高齢者が車を使わずに生活できる空間づくりを目指した」と話し、その考え方が中心市街地再生策の決め手となったことを話した。
講演終了後、参加者から、島にある商業地と都市商業地との違いはないかなど、多くの質問が出されたが古川氏は「まちづくりは、人口規模によるものではなく、皆さんがどのような将来を過ごしたいかによるものだ」と述べ、宮古島においても中心市街地活性化は十分可能だと説明した。