慈雨で畑に緑戻る
サトウキビ回復、農家安心
宮古島地方は台風12号の雨(21日)で干ばつが解消し、枯れかかっていたサトウキビは生き返った。茶色の目立つ写真(上)のキビは今月13日の状態。恵みの雨から10日たった31日には、緑が回復した=写真(下)。2枚の写真は同じ位置から撮ったもので、バックには千代田カントリークラブ(上野)のネットが見える。
キビは干ばつや台風に強い作物といわれ、2枚の写真が生命力の強さを示している。
宮古のキビ栽培の歴史は古く、人頭税制の1880年代には県から派遣された糖業教師の城間正安が普及に努めた。城間は、人頭税廃止運動のリーダーとしても知られる。
キビは自然災害の多い宮古に向く作物で城間の指導から約130年たった現在、基幹作物に育った。農家の暮らしを支えており「キビ代金で、子弟を高校や大学に通わせた」とよく耳にする。
宮古島では7月12日の台風7号の雨以降、1カ月以上少雨が続いた。同台風は塩害をもたらし、これに干ばつが追い打ちを掛け、キビにダメージを与えた。
29日には台風15号も、少し雨を降らせた。夏植は干ばつ前までの生育が良かったため、今後の天気次第では平年並みに回復するとみる人もいる。